弓彦戦記

天才と天狗の遊び場

冬の風物詩 負け犬の慟哭 ライアーゲーム序章

2017年が終わろうとしている
この文章を紡ぐ今、去年の自分も同じように遠吠えをしていたな、と思い返した。

去年も哀しい叫びを書き留めた。そしたら知人に魚拓を取られ裏で晒され笑いの種になった。
めちゃくちゃ恥ずかしかったので慌ててそれを削除したけど、まぁ伝説としてことある事に語り継がれるのだろう。 ただ忘れられるより面白いし。

今年も祭りの季節がやってきた。春に種が芽吹き、夏に虫が歌い、秋に葉が紅く染まるように、まるで風流な季節のワンカットのように 僕は冬に女絡みの失敗で煉獄に己の身を投じる。そう、僕は自分のカルマを知りつつもぶち当たり、散り、死んで笑われるんだ。

初めて読んでくれた僕の知らない誰かも、僕をよく知るいつものメンバーも、これを読んでニヤニヤして欲しい。

 

第1章 「二度ある女神は三度ある」

12月も半ば、会社の先輩から街コンに行こうと誘われた。 先輩はなかなかの遊び人でそういった類のイベントは慣れっこ、いつも会社の誰かを誘っていたそうだが今回は僕にそれが来た。
僕も前々から話は聞いていたので、まぁ行こうかなとOKの返事をした。 これが地獄の始まりである。

イベント当日、先輩が車を回してくれて、会場につくとそこは地獄だった。
「大体ね~男女比は5:5、俺の体感では4:6まであるね!」 直前の先輩の言葉である。僕は忘れない。
実際には男女 7:3ほどで男余り、しかも狭すぎる会場に100人がすし詰め。肝心の女の子もサクラっぽいキャバ嬢風情、30以上年増、名状しがたい何か(以下ゾンビ)が3:3:2だった。ここで4時間過ごせと? 覚悟はしていたがここまでとは。

男はイケメンや、高身長 オシャレさん オラオラ系なんでも揃っている。彼らが攻めあぐねる現場で僕のようなウンコボーイがどうしろというのか。 その時先輩は、安牌かつ知り合いだったという30代に絡みに行っていた。おいアンタさっきまで「20代後半からは俺は女じゃないと思ってるから!!」とか言ってたじゃねぇか!!

そこでキャバにも属さずゾンビでもない貴重な女の子に声をかけたりするも上手くいかず、今日はもう帰りたいと思いながら2時間が過ぎた時

 

 

地獄にちょっといい香りがした。

 

 

なんと女の人が声を掛けてきた。「オシャレですね~ちょっとお話しませんか?」みたいな。
僕は確かに他人とは違う独特な(変な)格好をしていたけど、まさか褒められるとは思わなかったし嬉しいより先にビビってしまった。ア〇ウェイ? 創〇学会?? 幸運を呼ぶブレスレットがパワーストーンかツボを売られるのか。この人はいたいけな21歳を嵌めようとしている工作員に違いないと。 なので軽く話してから距離を取った。とりあえず先輩に報告しようと。

 

なのにまもなくしてまた同じ女性に声をかけられた。
完全にロックオンされている やばい。でもちょっと嬉しい、、、 僕はチョロすぎる男なので自分の年齢、仕事、これまでの経歴なんかを話した。彼女は興味を持って聞いてくれたように見えた。僕にもまだ警戒心があったのでお酒を取りに行くようにして二波を逃れ、遠くから観察することにした。

彼女はこの地獄の中で、3:3:2のどこにも属さない普通の女性(この普通の女性 という単語が僕をさらなる地獄へと誘う)だった。
歳は27歳からまぁ30歳でも分かる。綺麗系の見た目で、聞き上手なのか相手の話をよく聞いているみたいだ。絶えず男から彼女に絡みに行っているのが確認できた。僕には彼女から来てくれたんだぞ! と謎の優越感に浸って眺めていたところに女神が三度微笑む。

「あの、お友達になってくれませんか? 連絡先交換しましょう…?」

地獄に花が咲き、鳥が鳴き 一瞬で豊かな大地が僕の目の前に広がったね。

連絡先を交換した後、彼女は電車があると言って会場を去った。その後、鳴り響く音楽の中、ゾンビに手を取られ踊っていた僕に地獄の景色は何も見えなかった。

無事イベントを無傷でやり過ごし、先輩と帰る道中に、僕は件の工作員に今日のお礼を伝えた。 彼女の名前はハルナさん(仮名)とでもしておこう。

初めてのイベントでの望外の収穫、ここから始まる心理戦をこの時の僕はまだ知る由もない、、、、、、


第2章 「理と情、あざとさvs百戦錬磨」

つづく