弓彦戦記

天才と天狗の遊び場

冬の風物詩 負け犬の慟哭②

あらすじ
街コンに引きずりこまれたゆみひこは、百鬼夜行のような会場の中で、かなりまともな女性ハルナ(仮名)に声をかけられた。果たして彼女は悪徳商法の手先なのか新興宗教の勧誘なのかそれとも、、、、

 

 

第2章 「理と情、あざとさvs百戦錬磨」

イベント会場を後にして、僕は先輩に送って貰っていた。先輩は女一筋で、普段は酒もタバコもギャンブルもやらない。バツ2だけど。
先輩に「取り敢えず今日の娘にはメッセージ送っておけよ、なるべくやり取りは続けておけ」
と言われたのでお礼とよろしくお願いします の旨を伝えた。 彼女からも返事が返ってきて安心したが依然として本心は不明瞭である。

よく考えると、僕は会場で彼女の事を教えてもらえなかった。年齢も、何が好きとかも。lineも ハルナ だけで苗字も知らず、アイコンも実写でない。そのlineから3つの仮説を立てた。

①完全に業者でそれ用のアカウント
②イベントで男を漁る用のアカウント
③ただの無頓着な人

理と情、理を取って考えるとなると①②の可能性が大きく、大したリターンも無い③にかけるのはジョーカーを引く危険がつきまとう。
しかし、僕はそれでも情をとり、尻尾を振ってしまった。だって嬉しかったんだもの、、、何事もチャレンジやろ~ ワンワン!

そして、次の週からはその先輩と出張だったので、そこからハルナさんとのやりとりが始まるのであった。

彼女とやりとりする上で僕はいくつか作戦を練った。
まず、彼女からアプローチをかけてきた以上、僕が送るメッセージは喜ばれるだろうということ。また、年齢差があることから若さを武器に、快活で無邪気な雰囲気を全面に押し出そう ということも。あとあんまりグイグイいかないこと。
当然僕に声をかけるくらいだから、既に他の奴とやり取りをしていても全くおかしくないし、むしろ彼女のような人は引く手あまたなのだ。

とりあえずイベントでまた遊びに行きましょうと約束したので日程を決めるところから、暇な時も雑談しましょうね くらいの事を送った。
もう既にグイグイ行ってるよね。と思いつつ反応が良かったので継続。

結局出張中の月~金は毎日やりとりがあった。
そこまで濃いわけでもないし、鬼レスもなくゆっくりとしたテンポがline嫌いの僕にはちょっと心地が良かった。しかし、この時点でゆみひこ、大分首輪をつけられていたのである。

そして金曜日、運命の歯車がグルングルン回り始める、、、、、

金曜日、出張帰りの僕は仲間とお酒を飲みに出ていた。そこでこんなことがあったんだよ、僕は壺を買わされるのかな、ドキドキ。と話をしつつハルナさんともやりとりをしていると、、

「週末はクリスマスだね! 早くクリスマス終わればいいのに…」

……
………!
…………!!

もうこれはあれですよ、直訳で「クリスマス空いてるけど恥ずかしいからお前から誘えよ!」の意ですよね。でみんなで騒いでたら店のマスターまで、「え、ウチ連れて来てよ。見たいわ~」と言い出す始末。僕も酔っていたので
「え~! じゃあ前倒しでどこか遊びに行っちゃいますか??」とぶち込む。

しかし返事が来ない

三十分待っても 一時間待っても来ない。あなたが誘惑してきたんじゃないの!? おい!
沈黙に耐えきれず僕はもみ消しを図った。
お酒飲んで浮かれてました。びっくりさせてごめんなさい と。 取り巻きは爆笑、マスターも大喜び。 悔しい。流石に恥ずかしい。

しかし家路についた時、返信が来た。

「忘年会だったから返信できなかった! じゃあ24日出かけちゃう??」


地獄に少しいい匂いが戻ってきた。

 

つづく

次回終章、「俺が火遊びをする時、火もまた俺で遊んでいるのだ。」

乞うご期待。